お知らせ
こんにちは、ピープルマネジメントアカデミー事務局です。
本日は 8月20日(水)・23日(土)に開催した「第8回ライブ演習」の様子をお届けします。
第8回のテーマは 「教える・助言する」。
私たちは部下に相談されると「教えてあげなきゃ」「解決してあげなきゃ」というティーチング、アドバイスモードに入ってしまい、自分で考えてもらう機会を奪ってしまうことがあります。
このティーチングとアドバイスを、対話型・共創型の人材育成にどう位置づけ、どのように実践するのか。さらに生成AI時代における「学び方の変化」にも触れ、理論と実践の両面から学びました。
まず3章-1で学んだ対人支援手法の使い分けを復習し、ティーチング・アドバイス・コーチングの違いと位置づけを確認しました。
ティーチングやアドバイスが必要な場面も確実にある(特に知識経験の少ないメンバーに対しては)のですが、に大切なのは「一方的に渡す」のではなく、「自己決定」の余白を残すこと。
特に生成AIの時代には、知識そのものは簡単に検索・入手できるようになっています。
だからこそマネージャーには、「教える人」から「学びを支援する人」への転換が求められます。
アドバイスは必ずしも上司から部下に行うものではありません。相談をチームで分かち合い一緒に考えることでチーム全体の成長のチャンスにもなります。
そのための手法として紹介されたのが、トロイカ・コンサルティング。
ライブ演習では、トレーナーと受講生2名がロールプレイを行いました。
3人1組で、1人が相談者、2人がコンサル役を担当。相談者役はテーマを共有し、コンサル役は質問をしてテーマの確認をします。その後、相談者役は2人のコンサル役に背を向けます(オンラインでは画面オフ、ミュートにします)。相談者が視界にいないことでコンサル役は自由に意見を出し、よりよいアドバイスについて議論できます。最後に相談者は振り返り(オンラインでは画面オンにします)、2人が話す内容を聞いていて気づいたことや感謝を伝えて終了します。
この手法は、
といった効果があります。
日常の1on1やミーティングでも活用でき、アドバイスを「する力」と「受ける力」を同時に伸ばせる実践的な方法を学びました。
今回の1on1練習ではアドバイスを実践しましたが、アドバイスをもらう練習にもなりました。トロイカ・コンサルティングのロールプレイからも多くの気づきが生まれ、相手と一緒に学びを育てる体験そのものとなったようでした。
受講生Bさん:
これまで傾聴や質問、コーチングは学んできましたが、アドバイスは思った以上に難しいものでした。結局、アドバイスにも傾聴力や質問力が欠かせないと痛感。相手のニーズに沿って、ステップに沿って助言できるようになりたいと思いました。トロイカコンサルティングは初めて見学しましたが、効率的に多様な視点を得られ、助言する側も考えを深められる点に魅力を感じました。アイデア出しや協議の場にも応用できそうです。
受講生Cさん:
今回の演習で「良かれと思っていたけど、実はNGだったアドバイス」があると気づかされました。アドバイスの機会は多いので、まずは“ニーズを確認する”ことから実践してみようと思います。特に、1on1でのやり取りがとてもスムーズで、「こうやってアドバイスすればいいのか!」と学びになりました。
受講生Dさん:
一番の学びは、「相手のニーズを探り、何を求めているかを理解してこそアドバイスになる」ということ。普段の業務では、自分の経験値から一方的に話してしまう癖があると気づきました。相手がモヤモヤした表情になるのは、まさにそのせいかもしれません。来週の1on1では、まず相手の悩みや望みを深堀する時間をしっかり確保しようと思います。
受講生Eさん:
1on1では、相談者のモヤモヤから“本当のニーズ”を探り当てることが大事だと実感しました。相手自身も求めているものを言語化できていないことがあるので、認識を合わせるプロセスが大切だと思います。また、自分がYouメッセージで伝えることが多かったと気づきました。上司からのアドバイスは、どんなに柔らかくても押し付けに聞こえてしまう。だからこそIメッセージで余白を残し、相手の意見を聴くところまでセットにしていきたいです。トロイカコンサルティングは、相談者が発言しないからこそ自由に意見が出せる点が面白いと感じました。アドバイスは“しているつもり”で満足するのではなく、“相手に届く形”にすることが大切だと学びました。
受講生Fさん:
アドバイスを実践できたのは貴重な経験でした。特に、ニーズや感情を確認するステップを意識したら、自分でも迷いなくアドバイスできる感覚がありました。一方で、時間配分や質問の簡潔さは課題です。トロイカコンサルティングは、アドバイスする側にも気づきが生まれると実感しました。職場での育成にもつながりそうです。アドバイスは職場から求められる場面も多いので、伝え方のステップをしっかり身につけていきたいと思います。
それぞれが「伝える」「アドバイスはできているつもり」で終わらせず、相手に届く伝え方や関係性づくり、「相手と一緒につくる」支援の重要性に気づく時間となりました。
安心できる関係性の中では深いアドバイスができる一方で、関わりが浅い相手だからこそ、かえって客観的な助言ができる場合もある。大切なのは、状況ごとに柔軟に使い分けることです。
また、受講生たちが自身の経験を振り返りながら学びを言葉にしていく姿に、トレーナー自身も刺激を受けました。アドバイスは「相手に渡す答え」ではなく、対話を通じて双方の気づきが深まるプロセスであると改めて感じられました。
相手のニーズを深堀しようと意識して関わるだけで、相手のモヤモヤが整理されていく。沈黙を恐れず、相手が語る時間を大事にしてください。
マネージャーが教える・助言するだけでなく、メンバー自身も経験し、内省し、応用していく。
その循環を一緒につくるのが、これからの対話型・共創型の人材育成です。
生成AIが普及する今だからこそ、人と人との対話・リアルな経験・共に学び合う環境づくりが、ますます重要になっていきます。
マネージャーに求められるのは、知識を伝える力よりも、相手の学びを引き出し、共に経験から成長する姿勢。
アドバイスを通じて相手の可能性を広げ、自分自身も成長していく。
そんな循環を大切にしながら、私たちも実践を重ねていきたいと思います。
次回のレポートもお楽しみに!
≪前回までの演習レポートはこちら≫
・他社の同志と出会った日|ピープルマネジメントを体感で学ぶ、PMA第3期開講!
(第1回ライブ演習レポート)
https://p-m-academy.jp/column/news/794/
・第2回ライブ演習レポート|「わかり合えなさ」から始まるマネジメント
https://p-m-academy.jp/column/news/867/
・第3回ライブ演習レポート|「自走するチーム」が育つ条件
https://p-m-academy.jp/column/news/896/
・第4回ライブ演習レポート|「信頼関係」を築くには
https://p-m-academy.jp/column/news/977/
・第5回ライブ演習レポート|人を育てる「期待」と「承認」とは
https://p-m-academy.jp/column/news/1064/
・第6回ライブ演習レポート|成長を引き出すコミュニケーション
https://p-m-academy.jp/column/news/1081/
・第7回ライブ演習レポート|ポテンシャルを引き出すコーチングコミュニケーション
https://p-m-academy.jp/column/news/1133/
ピープルマネジメントアカデミーでは、
「ピープルマネジメント」に関心をお持ちの皆さまに向けて、
ゆるやかに交流しながら継続的な学びを深めていただける場として、
「PMAマンスリーMeetup(ミートアップ)」を開催しています。
「ちょっと気になる」「もう少し知ってみたい」
そう思った方へ、こちらのイベントもおすすめです。
日時:9月11日(木)20:00-21:00
9月17日(水)11:00-12:00
場所:オンライン開催(zoom)
参加費:無料
スピーカー:松田 美幸 氏
組織開発・人材開発スペシャリスト
ピープルマネジメントアカデミー監修
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受講生Aさん:
相手の感情や考えに向き合う一方で、自分自身の“対話の癖”に気づけたのが大きな収穫でした。その癖がどう相手に影響しているのかを理解することで、より良い関わり方につながると感じました。また、トロイカコンサルティングを体験して、多角的に問題を捉え、解決策を考えられる点が魅力的でした。ただし、アドバイスは関係性がある程度築かれていないと難しいとも実感。1on1からチームビルディングへ発展させるステップとして活かせると感じています。