ピープルマネジメント

「“答えを教える”より、“考える時間を渡す”」―任せる勇気が、次の世代を育てる―第5期生の変化 #6

2026年 5-8月 エッセンスコース第5期。受講前後での変化をインタビューしました!

株式会社デンサン 公共業務営業部 業務営業一課
課長 河野 皓 さん

管理職になって実感した「マネジメントの難しさ」

今年度から管理職となり、マネジメント業務が加わった河野さん。

比較的若くして管理職になったこともあり、これまで上司だった年齢の高い方たちに対しても、必要なことは伝えなければならない。
一方で、相手へのリスペクトも欠かせない。
そのバランスをどう取るかが、一つの悩みでした。

もう一つは、中間管理職としての難しさです。

上位層からの決定事項をメンバーに伝える一方で、現場から出てくる身近な声を上位層にも上げていかなければならない。
上下の間に立つ立場だからこそ、うまくバランスを取れるようになりたいと考え、PMAを受講されました。

「実際に管理職になってみると、思っていた以上に難しいなと感じました」

自分のチームだけでなく、部署全体をまたいでサポートする範囲も広がり、マネジメント以外の仕事が減ったわけではありません。
「単純に仕事が増えて大変」というのが、受講前の率直な実感でした。

「管理職の仕事」を言葉にして学べたことが大きかった

そんな河野さんにとって、PMAで大きかったのは、「マネジメントとは何をすることなのか」を言葉にして学べたことでした。

マネジメントは、「管理職になったから、はい、やってください」と言われても、なかなか具体的な行動に落とし込みづらいもの。
PMAでは、マネジメントについてきちんと言語化されていて、「自分に足りなかったものは何だったのか」も見えてきました。

特に、足りなかったと感じたのが「人の話を聴く」ということだったそうです。

「そこを理解できたことだけでも、十分に収穫だったと思っています」

感覚的に行っていたことを整理し、自身のマネジメントを客観的に捉え直すことができたことが、受講の大きな意味となりました。

一番実践できているのは、「人に任せる勇気」

PMAで学んだことの中で、今、一番実践できていると感じるのは、「人に任せる勇気」です。

「人の話をちゃんと聴いて、内容を自分なりに咀嚼する。そのうえで、すべての答えをこちらから与えるのではなく、『考えてみて』『まずやってみて』という形で導く。最近は、そういう関わり方をするようになりました。
もちろん、自分でやったほうが楽だし、早い。けれど、それをやってしまうと、将来的にはその人の成長につながらない。だから今は、少し我慢してでも、考えてもらうことを意識しています」

まずは意見を聞く。サポートしながら仕事を任せる。

PMAで得た考え方が、日々の仕事の具体的な行動に変わっていることが分かります。

メンバーにとっては「前より答えをくれなくなった」かもしれない

この変化は、メンバーからすると、必ずしもすぐに「良い変化」として受け止められるとは限りません。

「メンバーからすると、もしかしたら『前より答えをくれなくなったな』と思われているかもしれません」

それでも河野さんは、少しずつ、メンバーが自分で考えるようになってきたと感じています。

もちろん、すぐにうまくいくわけではありません。
考えた結果が「違ったな」ということもある。
それでも、そこで終わりではなく、「じゃあ、もう一回考えてみよう」となる。

「その経験のほうが、答えをもらってそのまま指示を待つより、ずっと大事なんじゃないかなと思っています」

目先の効率だけを考えれば、上司が答えを出したほうが早い。
でも、人を育てるという視点では、考えて、失敗して、もう一度考える。

河野さんは、そこに時間をかけることを「投資」と捉えています。

「人の話を聴く」「任せる」――仲間との対話から深まった気づき

PMAの学びで印象に残ったのは、知識だけではありません。
ライブ演習で、他の受講生と話せたことも大きな刺激になりました。

たとえば、設備関係の管理職 Hさんと「任せるって、やっぱり大事ですよね」と話したこと。

二人には、「ちょっと突き放して、やらせる方が成長になる」という少し古い考え方もある。
何にでも手を出してしまったら、その人の成長を奪ってしまう。
「任せる」ということについて率直に話せたことが、印象に残っているそうです。

「1on1の練習の中で 共感できるお話や、自分の価値観や環境では感じられないお話を聞けて有意義だった」と振り返っています。
異なる業界・立場の人との対話を通して、ご自身のマネジメントを外から見つめる機会になったようです。

「学びを組織で広げるなら、世代交代も大切」

河野さんが「任せる」ということを大切にしている背景には、もう一つの視点があります。

それが、「次の世代へ引き継いでいく」という考え方です。

組織の中では、上の世代がずっと頑張り続けることが、必ずしもいいことではない。
ベテランの方たちは、これまで本当に努力して、河野さんよりもずっと大変な時代を働いてきた人たちです。

その積み上げにはもちろん尊敬があります。
だからといって、いつまでも上の世代に頑張ってもらうと、中間層や若手はそこに頼ってしまう。

それでは、次の世代が成長していかない。

「だから、引き継いでいくことが大事なんだと思います」

これは、単なる業務の引き継ぎではありません。
上の世代から受け取ったものを、次の世代が自分で考え、判断し、担っていけるように渡していくこと。
そのために、「任せる」ことが必要になります。

自分がしてもらったように、次の人たちに「考える機会」を渡す

河野さん自身も、これまで上司からしてもらったように、次の人たちに考える機会を渡していかなければならないと考えています。

「それが、自分の役割の一つなのかなと思っています」

この言葉からは、「人に任せる」という行動を、単なるスキルではなく、自分の役割として捉え始めていることが伝わります。

自分が答えを出せば、目の前の仕事は早く終わる。
でも、その人が次の立場に立ったときに、自分で考えられるかどうかは別の問題です。

だからこそ、今は少し我慢する。間違えることも含めて任せる。
そして、その人が自分で考える経験を積めるようにする。

河野さんにとって「任せる勇気」とは、相手を信頼することだけでなく、未来の成長に時間を投資することなのかもしれません。

PMAは「管理職になったばかり」の人にこそ

河野さん自身は、管理職になったばかりのタイミングでPMAを受講したからこそ、「すごく合っていた」と感じています。

「管理職として、『これからどうやっていけばいいんだろう』と考えている人に、いいんじゃないでしょうか」

一方で、マネジメント以外の仕事ですでに手いっぱいの人も多く、研修を受けること自体がプレッシャーになってしまう可能性もある。
だからこそ、実際に管理職としてマネジメントを担う人が出てきたときには、ぜひ勧めたいと話します。

これまでのやり方を見直したい人や、これから人を育てていく立場になる人にとって、PMAは自分のマネジメントを言語化し、具体的な行動に変えていく機会になりそうです。

「任せる」は、未来への投資

PMA事務局より

河野さんのお話で最も印象的だったのは、「人に任せる」ということを、目の前の仕事を回すためのテクニックではなく、「次の世代を育てるための役割」として捉えていたことです。

そして、その先にあるのは世代交代。
自分が上司からしてもらったように、次の人たちへ考える機会を渡していく。
管理職になったばかりだからこそ感じた難しさを、学びによって言語化し、一つひとつの行動を変えていく。

その積み重ねが、やがて「任せられる人」「自分で考えて動ける人」を育て、次の世代へとつながっていくのだと思います。

率直で貴重なお話をありがとうございました!

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